持続可能な介護保険事業の構築に向けた本市の取組について
◆1番(勝股修二) おはようございます。
ただいま議長よりお許しがありましたので、通告に従い、順次質問をさせていただきます。
朝一の質問って、私、今回初めてなものですから、ちょっと緊張をしております。
本当に早いもので議員生活も2年目に入りましたけれども、今を生きる方々の生活を守りつつ、次世代に何を残すのか、また、残せるのかを考えながら議員活動をしていますけれども、もう本当に2年目に入ったということで、ちょうど1年前、初めての個人質問をさせていただいて、そのときも内容は、やはり、介護保険の話から入っております。2年目に入りまして、今回も最初の質問については介護保険に関することになります。
ちょっと1つ忘れていました。愛知維新の会尾張旭市議団の勝股修二です。よろしくお願いします。
それでは、質問事項1に入っていきます。
持続可能な介護保険事業の構築に向けた本市の取組について項目ごとにお伺いしていきます。
介護保険制度は2000年の施行以来、多くの成果を上げてきました。この制度は、高齢者が尊厳を持って自立した生活を送るための支援として、また、御家族が介護の負担から解放されるための重要な役割を果たしてきました。しかし、この制度がスタートしてから24年が経過し、私たちは新たな局面に立ち至っています。高齢者人口の増加、労働力人口の減少、そして、円安や物価の高騰など経済状況の変化といった様々な外部環境の変動が介護保険制度の持続性に影響を及ぼしています。
この持続性を高めるために介護保険の保険者の機能を高め、努力を推進するべく厚生労働省が打ち出したのが、いわゆるインセンティブ交付金、平成29年度に設けられた保険者機能強化推進交付金及び令和2年度に設けられた介護保険保険者努力支援交付金となります。これらはインセンティブとありますとおり交付金額は市町村の取組により変動をしていくものであり、客観的な評価指標に基づいた交付金額の決定がなされます。これに対する取組は、市町村における介護保険の持続性を高めるとともに資金を獲得することでさらなる取組を可能とするかもしれません。
この評価指標と評価結果はホームページにて全て公開をされています。このように細かい評価指標が全部載っているわけになります。また、この結果についても本当にエクセルのファイルに全ての市町村の評価結果が一覧としてだあっと出て、ダウンロードができるようになっています。
他市町と比較すると、本市の場合は人口区分3、第1号被保険者が1万人以上5万人未満の保険者ですが、612市町村中284位ということで、真ん中より少し上ぐらいということで、それほど、決して悪い順位ではありませんが、評価結果を見てみますと、明らかに取組が不足をしている項目が幾つかあります。機能強化推進交付金の目標Ⅰ、持続可能な地域のあるべき姿をかたちにするの(i)体制・取組指標群の項目4、保険者機能強化推進交付金等に係る評価結果を関係者間で共有し、自立支援、重度化防止等に関する施策の遂行に活用しているかの点数がほとんどついていません。
⑴ 保険者機能強化推進交付金等に係る評価結果の活用について
◆1番(勝股修二) 小項目(1)、保険者機能強化推進交付金等に係る評価結果の活用についてお伺いをします。
◎健康福祉部長(臼井武男) 皆さん、おはようございます。
それでは、御質問にお答えします。
保険者機能強化推進交付金等につきましては、主に介護予防や日常生活支援サービスなどの事業において活用しており、各事業に対する評価結果を基に交付金額が決まります。また、評価結果により本市の事業のどの成果が不十分であるかを認識することもできます。本市では、特に介護人材の確保についての点が不足しておりますが、その具体的な対策に苦慮しているところです。このため、今後は介護人材の確保、定着、介護のイメージアップという3つの視点に着目しながら効果的な取組について研究したいと考えております。
以上でございます。
◆1番(勝股修二) ありがとうございます。
本市事業において成果が不足している点を御認識をしていただいているということです。評価指標があって、その評価結果が明確になっていますので、その結果を基に改善策を講じていくと、PDCAサイクルを回していくというのは市政運営、介護保険事業において非常に重要かと思います。評価指標にもありますように、庁内外の関係者と評価結果を共有をして、また、施策の改善、見直し等に活用をしていただくようよろしくお願いいたします。
⑵ ケアプラン点検の実施について
ア ケアプラン点検実施の基本方針について
◆1番(勝股修二) 小項目(2)に移ります。
機能強化推進交付金の目標Ⅱ公正・公平な給付を行う体制を構築するの(ⅱ)活動指標群の項目1、ケアプラン点検の実施割合の結果は上位7割にも入っていません。下位3割です。その六百十幾つか市町村中の下位3割の成績ということになっています。ちなみに、ケアプラン点検とはどういうものかというと、ケアマネジャーさんがその皆さんの、要介護者の皆さんのプランを立てるのですが、そのプランがちゃんと自立支援に向けたものになっているかとか、尊厳の保持にしっかり配慮がされているかとか、その辺りを市として、保険者としてそういうケアマネさんのケアプランがしっかりできているかというところを、一応点検をさせていただくという事業になります。そこで、小項目(2)、ケアプラン点検の実施について、まずは現状どのようなお考えの下、ケアプラン点検を行っているのか、ア、ケアプラン点検実施の基本方針についてお伺いをします。
◎健康福祉部長(臼井武男) お答えします。
本市におきましては第6期愛知県介護給付適正化計画及び第9期尾張旭市高齢者保健福祉計画に基づきケアプラン点検を実施しております。これらの計画の中では、特に基本方針を定めておりませんが、主に利用者の尊厳の保持及び自立支援に資する適切なケアプランとなっているか否かを確認しております。具体的には、居宅介護支援事業者から資料提出を求め、それを点検し、面談の際に互いに検証することによってケアマネージャーの気づきを促すとともに自立支援に資するケアマネジメントの実践へとつなげていきたいと考えております。
以上でございます。
◆1番(勝股修二) ありがとうございます。
ケアプラン点検といいますと、実地指導や監査といった非常に仰々しいものと思ってしまいがちなのですが、本来のケアプラン点検はケアマネジャーと行政が自立支援に向けたケアプランについて話合いをすることで、ケアマネジャーはそのケアプランを立てる資質を向上することができ、行政としても不足している地域資源ですね、こんなことが足りないじゃないかというようなことや、地域課題、地域における介護の問題なんかを発見することができるなど、お互いにとって非常に有益な場でもあります。今後も有意義なケアプラン点検を行っていただくようによろしくお願いいたします。
イ ケアプラン点検の実績について
◆1番(勝股修二) 次に、評価項目の評価値となります。実際にどれくらいケアプラン点検を行っているのか、現状をお尋ねします。
イ、ケアプラン点検の実績についてお伺いをします。
◎健康福祉部長(臼井武男) お答えします。
昨年度の実績としましては、市内の8つの居宅介護支援事業所に所属する計11人のケアマネージャーを対象にケアプランの点検を行いました。本年度からはケアマネージャーの資格を有する職員を配置したこともあり、これまで以上に質・量ともに充実したケアプランの点検を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆1番(勝股修二) ありがとうございます。
昨年度の実績として、8事業所のケアマネジャー11名とのことです。現在尾張旭市には居宅介護支援事業所は22事業所ありますので、それぞれの事業所では2年に1回、回ってくるかどうかなというのが現状のようです。お隣の瀬戸市の居宅介護支援事業所なんかでは半年に1回くらいケアプラン点検が行われていると、回ってくるというようなこともお聞きしました。先ほどお伝えしたようにケアプラン点検は現場の声を聞き、今後の施策の参考となる重要な場であり、加えて自立支援に向けたケアマネジャーの資質を向上していくことは市民全体にとっても非常に有益なことです。もっと積極的にケアプラン点検を行っていただきたいところですが、本年度より有資格者の配置がなされたということで、今後に期待をさせていただきます。よろしくお願いします。
ウ 施設入居者のケアプラン点検について
◆1番(勝股修二) 次の質問は、昨年行った私の初めての個人質問において、入居施設における、入居者の実態把握についてと題した質問にも絡んでくるのですが、私自身も入居施設におけるケアプランにはちょっと、少々難しさを感じております。そこで、ウ、施設入居者のケアプラン点検について現状行っているのかをお伺いします。
◎健康福祉部長(臼井武男) お答えします。
本市では、在宅での居宅介護支援サービス利用者のケアプラン点検は実施しておりますが、施設入居者のケアプラン点検については実施には至っておりません。点検の代わりに施設を訪問して運営指導を行う際にケアプランの内容を確認しております。これは、愛知県からケアプランの点検効果が高いとの理由から、ケアマネージャーが一人の事業所など一定の条件を満たす在宅の介護支援事業所を優先するよう推奨されていることによるものですが、施設入居者のケアプラン点検についても実施に向けた検討を始める必要性は認識しているところです。
以上でございます。
◆1番(勝股修二) ありがとうございます。
施設にまでは手が回っていないということです。実施に向けた検討を始める必要性の認識ということで、少し長い言い回しなんですけれども、とどのつまりはやれたらいいだろうなというような感じなんでしょうかね。
昨年申し上げたように入居施設は外部とのつながりが少なくなりやすく、どのようなケアが行われているか外部からはなかなか見ることができません。ケアマネ研修においての提出事例のケアプランは画一的になりがちで、個々の状況に応じた自立支援や重度化防止に向けたプランという観点では不十分さを否めないということが多々あります。施設でのケアプラン点検を行うことで、入居施設のさらなる質的向上を見込むことができますので、入居施設におけるケアプランも御検討、ぜひ、いただくようお願い申し上げます。
小項目(2)、ケアプラン点検の実施についてまとめますと、現場のケアマネジャーは真摯に業務に向き合っている分、制度や状況がどんどん変わっていく中、不安を感じながら業務を行っているというのが実情です。自分が作成したプランで本当によいのか、もっとよいプランを組めるのではないのか、その利用者さんの人生を預かっているというすごくやはり、責任重大で不安を感じるような仕事の中で、自問自答しながらケアマネジメントを行っています。
行政としてはなかなか専門分野に踏み入っていくことは大変かと思いますし、監督権者として指導監督をしなければならないという思いで、思いもよらず高圧的になってしまうこともあるかと思います。実地指導や監査の場面ではある程度そういう態度も必要かとも思いますが、ケアプラン点検の場では共に学び、考える姿勢で傾聴あるいは共感しながら本市の介護環境を整えていく、進めていくといった考えで実施していただければと思います。
⑶ 地域住民に対する介護の仕事の魅力を伝達するための研修等について
◆1番(勝股修二) 小項目(3)に移ります。
機能強化推進交付金の目標Ⅲ、介護人材の確保その他のサービス提供基盤の整備を推進するの(ⅱ)活動指標群において、項目1、高齢者人口当たりの地域住民に対する介護の仕事の魅力を伝達するための研修の修了者数、また、項目2に高齢者人口当たりの介護人材、これ、介護支援専門員を除く、の定着、資質向上を目的とした研修の修了者数、項目3、介護支援専門員を対象としたケアマネジメントの質の向上に関する研修(介護支援専門員法定研修を除く。)の総実施日数、これらはいずれも得点が0点、全て下位3割の成績となっています。
最初の質問にて介護人材の確保に対する取組は不足をしているとの御認識であることをお答えいただいたところなのですが、小項目(3)、地域住民に対する介護の仕事の魅力を伝達するための研修等について、今後の検討、実施についてお伺いをします。
◎健康福祉部長(臼井武男) お答えします。
介護の現場における人材不足は年々深刻化しており、介護サービス事業者からも切実な声をお聞きしておりますが、その有効な解決策を現時点では見いだせておりません。今後は少しでも改善が図れるよう介護の仕事の大切さや、そのやりがい等を正しく御理解いただくためにどんな取組が考えられるのか、また、現在介護現場で働かれている方の定着やスキルアップを図っていただくための研修などに対して何が効果的なのかを介護サービス事業者の方にも御意見を伺い、様々な視点から新たな取組について研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆1番(勝股修二) ありがとうございます。
研究したいというところで、検討する段階にもないという状況なのかなとも思います。なかなか明確な御答弁をいただけていない状況なんですが、現場とのコミュニケーションを行っていくということは明言をしていただきました。これまでは評価指標に基づき、本市の取組状況をお伺いしてきましたが、最後に具体的なお金の使い道についてとなります。
⑷ インセンティブ交付金の使途について
◆1番(勝股修二) 小項目(4)に移っていきます。
本年度当初予算においてインセンティブ交付金として2,100万円が計上をされています。どのような形で活用されておられるのかについて、小項目(4)、インセンティブ交付金の使途についてお伺いをします。
◎健康福祉部長(臼井武男) お答えします。
インセンティブ交付金には保険者機能強化推進交付金と保険者努力支援交付金とがあり、保険者機能強化推進交付金の使途につきましては、緊急通報装置設置事業や高齢者の相談事業などの運用に活用しております。また、保険者努力支援交付金の使途につきましては、認知症カフェの運営や日常の困り事を解決する生活応援サービスなどの各種事業で活用しております。
以上でございます。
再質問)インセンティブ交付金を挑戦的な事業に
◆1番(勝股修二) ありがとうございます。
再質問をお願いします。
本交付金の使途は緊急通報装置設置事業や相談事業、生活応援サービス等において活用をしておられるということです。しかし、これらの事業は継続的、安定的に行われるべきものだと感じておりますが、実のところ本交付金には少々不安定な面があります。本市では令和5年度介護保険特別会計当初予算においてインセンティブ交付金として2,400万円の収入が計上されておりましたが、本年度当初予算では2,100万円と300万円の減収となっています。300万円減額されたのは本市の取組が不足していたからというだけではなくて、全国の財源総額が350億円から300億円に減額がされてしまったというのも大きな要因だと考えられます。よって、短期的に国の財源に左右をされるような本交付金を継続して行うべき事業の財源として当てにし過ぎるのは、ちょっと不適切だと考えます。
昨年より柴田市長の御発案により、チャレンジ事業が開始されました。現在の市政運営は以前よりも挑戦的になったと感じております。本交付金の性質を考えますと、本交付金は介護保険分野において挑戦的な事業に一定程度配分するべきであると考えますが、これについての御認識はいかがでしょうか。お伺いをします。
◎長寿課長(岡田和也) お答えします。
現在は継続的な事業に活用しておりますが、今後はケアプラン点検や研修など、介護人材の確保や定着、資質向上などにつながるような新たな事業に取り組むことにより交付金の確保にも努めていきたいと考えておりますので、まずは事業者の方と一緒に考えるところから始めていきたいと思います。
以上でございます。
◆1番(勝股修二) ありがとうございます。
本評価指標の趣旨にのっとったような事業を現場と共に考えていただけるということです。本交付金の趣旨を鑑みると、介護保険事業の持続性を高めるために一定の挑戦的な投資を行うべきであるとも御認識をいただいていると思います。この質問事項1においてはほとんど研究を始める段階であるとの御答弁でしたが、介護分野における地域課題の難しさは私も身にしみて理解をしており、確実な解決手段といったものがないことは重々承知をしております。答えは不明瞭ですが、解決していかなければならない問題です。まずは試してみる、トライアンドエラーを繰り返していくことが必要です。昨日の質問でもまずは行動してみるということのお話もありました。繰り返しますが、インセンティブ交付金の評価指標にある程度沿って投資を行って、試行錯誤を繰り返すことで現場との交流が進み、ある程度成果を得ることができるかもしれない上に、試行錯誤をするための財源となる交付金の増額、また、維持というのも期待をすることもできます。
介護や福祉はどこまでいってもそれに携わる人に左右をされます。ケアマネの資質が向上することや介護人材が確保できるようになることは、そのまま市民の福祉に直結します。評価結果の活用や御答弁いただいたケアプラン点検、研修等への投資をぜひ、お願いをいたします。
本日は時間の都合上介護保険、保険者努力支援交付金の評価指標までは言及ができませんでしたが、こちらの評価項目では地域リハビリテーションの推進や多様なサービスの活用の推進に向けた取組がこれまた評価点0となっております。これらのような基盤や仕組みづくりの挑戦的な取組についても併せて要望をさせていただき、質問事項1を終了させていただきます。
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