本市の事務における生成人工知能(AI)活用戦略と人材育成について

◆1番(勝股修二) 質問事項2、本市の事務における生成人工知能(AI)活用戦略と人材育成についてに入ります。
 近年における生成AIの進歩は、まさに日進月歩といった様相を呈しており、状況は刻々と変わっています。行政においては、行政サービスの向上と業務の効率化という二つの大きな期待が寄せられています。具体的には以下の4つの分野での期待が高まっています。
 1つ目は、事務作業の効率化と自動化です。文書作成や要約、データ入力や転記、AIチャットボットによる問合せ対応などにより、人でなければできない企画立案や市民との対話といった、より創造的で付加価値の高い業務に集中できるようになると言われています。2つ目に、住民サービスの質の向上です。AIチャットボットであれば、24時間、365日の問合せ対応が可能になります。手続においてはAIが申請書類の不備を自動でチェックすることで、手続に係る時間が短縮することで市民の負担軽減が期待をされます。個々人の状況に応じて、必要な支援制度や手続を提案するなど、一人一人のニーズに合ったサービスが提供できると考えられています。3つ目は、政策立案の高度化です。AIが学習した膨大なデータから、将来予測、原因分析、効果検証、最適な資源配分などを行い、客観的な根拠に基づいた政策立案が可能になると言われています。これについては、ここ数か月の進歩が著しく、公開情報からのレポート作成ですね、そういったものが非常に精度が上がっています。4つ目は、防災や減災、インフラの老朽化対策などの地域課題の解決にも貢献すると期待をされています。
 このような中、本市においてもAI導入に向けた議論や取組は行われており、本市情報政策課において令和5年8月8日には生成AI利用ガイドライン(試行用)を制定し、令和5年10月には1回目の生成AI試行利用結果報告書を、令和6年3月には同タイトルにて2回目の報告書を作成し、「今後の生成AIの活用については、令和7年度からの生成AIサービスの導入に向けて、引き続き各種生成AIサービスを使っての試行利用の実施や、本市にとって最適な生成AIサービスの研究等を進めていきたいと考えています。」と結んでいます。
 そこで、試行を基にした現状での取組と今後の方針についてお伺いをしていきます。
 まずは小項目(1)、2回にわたる試行の具体的な成果と課題について、その後の状況も含めてお伺いをします。

◎企画部長(山本和男) お答えします。
 生成AIの試行利用の状況につきましては、1回目の試行では利用回数が少なく、生成AIに対する職員の認識や活用方法に課題が見られたことから、生成AIの基本的な機能や活用事例を紹介する説明会を実施し、職員の理解促進を図りました。その結果、2回目の試行では利用回数が増加し、文書作成や要約、アイデア出しといった業務において有効性が確認され、職員からは「利便性が高い」、「業務効率が上がる」といった前向きな意見が寄せられました。
 一方で、生成AIの利用者数自体が少なかったことや、活用事例の不足といった課題も明らかになりました。これらの結果を踏まえ、本市では今年の6月から、自治体専用に開発された生成AIについて、費用負担なく利用を開始したところでございます。
 この生成AIは、公務員に特化した多様な機能を備えているのみならず、行政利用に適した安全な環境が整備されており、職員の創意工夫と併せた業務効率化につながるような、さらなる活用方法について検討を進めております。
 以上でございます。

◆1番(勝股修二) 御答弁ありがとうございます。
 まずは現状を確認をさせていただきました。実際に生成AIを使用して、いろいろと試していただいているということです。
 小項目(2)に入ります。先ほどお伝えしたとおり、試行結果の報告書には最適な生成AIサービスの研究等とあります。導入を目指す最適な生成AIサービスについて、本市はどのような要件を重視してお考えでしょうか。例えば、①導入・運用コスト、②市民の個人情報や行政の機密情報を守る高度なセキュリティー、③職員の誰もが直感的に使える操作性、④倫理的観点から、AIの判断の透明性や公平性を確保するための方策など、具体的な要件について小項目(2)本市が考える「最適」の具体的な要件についてお伺いします。

◎企画部長(山本和男) お答えします。
 生成AIについて、本市では次の3点を特に重要な要件として位置づけております。
 まず1点目は利便性です。日常的な活用を促進する上で、直感的に操作できる画面構成であることに加え、業務に即した定型文の作成支援や文書校正、資料の要約機能を有していること、本市の情報の蓄積による精度の高い回答が得られることなど、職員にとっての使い勝手のよさが不可欠であると考えております。2点目は、コストの妥当性です。限られた財源の中での運用を進めるに当たり、業務の効率化や生産性の向上などの効果が、費用に見合うものであるかを慎重に見極める必要があります。3点目は情報セキュリティーの確保です。入力した内容が外部に漏れることがないことや、利用ログの管理機能など、自治体の業務に適した安全な環境で活用できることが求められます。
 以上でございます。

◆1番(勝股修二) 御答弁ありがとうございます。
 利便性、コスト、セキュリティーの3点。先ほど例示させていただいた1番から3番について、特に重視をされているということです。④については御答弁にありませんでしたが、この点は私自身も非常に難しいと考えているというのが正直なところです。現在主流の生成AIは、ほぼ外国製であり、現状において国産のAIは、一般での使用においては使い勝手に劣ると私は感じています。外国製の最新モデルにおいて、核心部分はブラックボックス化しており、突き詰めると、AIの判断の透明性や公平性というのを担保するのは困難であると考えます。その思考の流れといったものは、なかなか国内ではそこを把握はし切れないというところがどうしても出てきます。だからこそ、国産AIに対する国策での投資というのが急務であると考えますが、皆さんはいかがでしょうか。
 このまま小項目(3)に入ります。生成AIは導入すればよいというものではなく、使う人材がいてこそ効果を発揮するものだと考えます。現状では、AIに詳しい特定の方がいた場合に、その分野のみ本領を発揮できるというのが現状だと思います。組織である以上、平均的な職員が活用できるような状況をつくり出すことが必要であり、AIに使われるのではなく、AIを使う人材を育成することが必須であると考えます。
 そこで、小項目(3)、生成AIを活用できる人材の育成計画についてお伺いをします。

◎企画部長(山本和男) お答えします。
 生成AIを効果的に活用するためには、職員がAIの仕組みや活用方法を理解し、適切に使いこなせるようになることが重要であると考えております。本市では、生成AIを活用できる人材の育成に向け、今後も職員研修を実施するとともに、具体的な利用方法や活用事例を示すことで実務への応用を支援してまいります。生成AIに不慣れな職員にも自然に活用が広がるよう、庁内での事例共有などを通して、日常業務の中での身近な体験として触れることができる機会を増やしてまいります。
 また、生成AIの有効性と併せてリスクも十分に理解した上で、その活用により事務改善を図り、スキルアップした職員の知見を共有し、横展開することで、多様化・複雑化する行政課題の解決に資する有力なツールとして活用できる人材の育成を目指してまいります。
 今後も他自治体の事例を参考にしながら、組織全体として生成AIを積極的に取り入れられる環境整備を進めるとともに、こうした取組を通じて職員の業務効率化や市民サービスの一層の向上につなげてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆1番(勝股修二) 御答弁ありがとうございます。
 まずは、総括的に組織として人材育成を図っていくとの方向性はお伺いできたと思います。
 それでは、ここから組織の力学的な観点とAIに使われるのではなく、AIを使う人材を育成するという観点から、再質問にて議論を深掘りしていきたいと思います。まずは、私の経験からお話しさせていただこうと思います。
 私は医療の現場にて働いてきましたが、医療現場においてICTを活用して患者さんの情報を円滑に共有するために、皆さん御存じのもーやっこネットですね、瀬戸旭医師会さんが中心になってやっておられるもーやっこネットのような、スマートフォンやパソコンで行う電子的な掲示板を利用した患者さんの情報共有システムを導入しようと、法人内にて活動をしていました。これがなかなか難題で、スタッフ内では使い方が分からない、必要性が理解できない、何か怖い、など様々な御意見で、勉強会を繰り返しつつ年単位で足踏みをしていましたが、ある日院長が明確な導入方針を口にしたときから、一気呵成といったスピード感で導入が進みました。
 事ほど組織においてはリーダーの意向といったものは絶大な影響力を持ちます。これまで生成AIを活用した業務の管理といったものは存在をしませんでしたので、まずはリーダーである管理職級の皆様の生成AIへの理解を深めるといった育成が必要になると考えます。この点、時間を取られる研修といったものを求めるわけではなく、生成AIというのは、使ってみるというのが一番大事だと思います。体験してみるというのが非常に重要と考えますので、リーダー向けにAIを操作するプロンプトですね、そういうのを例示して入力をしてみるような体験会を行うことや、何かの会議の折に実践事例、こんなふうに使ってみたというのをそれぞれで発表し合うとか、そういうような場があってもよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。既に体験会などを行っておられたら申し訳ありませんが、生成AIについて管理職の理解を深める取組について再質問をお願いします。

◎情報政策課長(豊田定史) お答えします。
 生成AIの活用を組織に浸透させるためには、まず、管理職自らが利用してみることが重要であると考えております。そのため、新規施策のアイデア出しやリスク整理、挨拶文のたたき台作成など、管理職の実務において生成AIを活用できる具体的な場面を提示し、使うことによるメリットを実感してもらうことで、理解の促進につなげてまいります。また、研修動画の配信などを通じて、生成AIを身近に感じ、関心を高めてもらうことで、部下の活用を後押しできる職場環境づくりを支援してまいります。
 以上でございます。

◆1番(勝股修二) 御答弁ありがとうございます。
 まずは管理職級の理解が必要なことは共有できたと思います。
 ここまでの議論ですと、私が生成AIの導入に向けて非常に前のめりに質問をしているんじゃないかなと感じる方もおられるかと思います。実は、私自身はそんなことはなくて、しっかり問題点も踏まえて導入を考えていかなければいけないということで、その問題点を理解するためにも、管理職級の生成AIに対する理解というのはやっぱり必須なんです。管理職として、この業務にこう使ったらこういう利点があるけれども、こういう不利益もあるんじゃないかということは、しっかり把握をしていただきたいというのが私自身の気持ちです。
 それを踏まえて、次に新入職員の人材育成について再々質問をお願いします。
 これまで人は様々な道具を得て社会を発展させてきました。手や足の機能を拡張する道具、視覚や聴覚など五感の機能を拡張する道具、計算分野に限って脳の機能を拡張する道具--計算機とかこれまでのパソコンといったものになりますが--そして、パスカルが言うところの、ついに考える葦である、人を人としてたらしめる機能である思考機能を拡張する道具が生成AIだと私は考えます。
 ここで問題になるのは廃用症候群といったものです。人間が道具の発展とともにその機能を弱らせてきました。使わない機能は弱っていく、なくなっていくというのが生物としての宿命です。新入職員がすぐに生成AI頼りになってしまうと、行政職員としての文案作成能力、調査能力、政策立案能力などが育たない可能性があり、AIに使われる人材となるおそれもあります。これは極論だとは思いますが、生成AI導入に当たっては、職員の基礎能力も考慮に入れて人材育成を考えないと将来的な不安が残ると考えますが、この点についての本市の御見解はいかがでしょうか。生成AIと新人育成について再々質問をお願いします。

◎情報政策課長(豊田定史) お答えします。
 今後は新規採用職員を対象とした研修において、生成AIの基本的な活用方法に加え、有効性や誤用によるリスクについて説明してまいります。具体的には、個人情報や行政の機微な情報を入力してはならないこと、また、出力内容には誤りが含まれる可能性があるため、必ず職員自身が確認することなどを徹底いたします。さらに、生成AIはあくまで職員を補助し、業務の質を高めるための支援ツールであることを強調し、生成AIに使われるのではなく、判断の主体となり、使いこなす立場で業務に生かすことができる職員の育成を進めてまいります。
 以上でございます。

◆1番(勝股修二) 御答弁ありがとうございます。
 具体的な人材育成方法については今後の検討課題にしていただきたいと思います。
 生成AIは、単なる業務効率化ツールではありません。行政の在り方そのものを変革し、市民サービスを飛躍的に向上させる可能性を秘めた未来の投資でもあります。AIに使われるのではなく、主体的に使いこなす職員を育成し、その能力を最大限に市民福祉の向上のために生かしていく、そのための明確なビジョンとトップの強いリーダーシップを改めてお願いし、次の質問事項に移ります。

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