陳情第6号 介護・障害福祉職場の1人夜勤をなくし、複数配置をあたりまえにすることを求める意見書の提出を求める陳情についての反対討論
議長のお許しがありましたので、陳情第6号 介護・障害福祉職場の1人夜勤をなくし、複数配置をあたりまえにすることを求める意見書の提出を求める陳情についての反対討論をさせていただきます。
私の政治参加の重点的な分野である介護現場の待遇をよくしようという陳情ですので、反対する以上は理由を述べたく、反対討論をさせていただきます。
入所施設の夜勤体制を常時複数配置するべきとの御意見ですが、一律に基準として決めてしまうことで、現場の裁量を奪うことになりかねない。また、マンパワーの片寄りを引き起こし、現場に混乱をもたらすと私は考えます。
その理由としては、2点あります。
1点目に、入所しておられる方の状況は千差万別であり、認知障がいの進んでおられる方、夜間せん妄の激しい方、昼夜逆転しておられる方の人数や程度はその時々や施設により違いがあり、また、季節の変わり目、気候などによっても変化していきますので、状況に応じた対応が必要です。
2点目は、介護人材の不足は常態化しており、夜勤体制に施設基準をもって規制をかけると、人材獲得競争の過熱化が予測されます。介護事業所の倒産は人手不足が大きな要因となっているように、ほかの事業所の運営がままならなくなってしまう可能性があります。
以上2点の理由より、入所施設の夜勤体制を常時複数配置する基準を求める意見書には反対をさせていただきます。
しかし、施設における夜勤の現場が激務であることは十分理解し、憂慮しておりますので、現場が状況に応じて対応していけるような法整備と報酬単価、加算の引上げは必要であることは強く感じているということはお伝えして、陳情第6号の反対討論とさせていただきます。
本陳情にはかつまた修二は反対させていただき、反対多数により否決されました。
陳情の内容
介護・障害福祉職場の1 人夜勤をなくし、複数配置をあたりまえにすることを求める意見書の提出を求める陳情
介護・障害施設は、利用者、その家族がそれぞれの生活や社会参加をしていくためにも重要な施設です。しかしながら、現在の制度では十分な職員配置ができず、日々事故なく、安全確保をすることだけで精一杯となっています。このような状況で、現場職員は本来の社会福祉としての介護・障害職場の役割を発揮して働くことに葛藤し、その矛盾から退職
につながってしまうケースがおきています。
特に介護・障害施設の夜間帯は1 人夜勤体制が常態化し、安全を守ることすらできない、危険な状態となっています。特別養護老人ホームや老健施設などの入所施設では、夜間帯は1 フロアに職員1 人で利用者10 人~40 人の対応しなければいけない状態です。コールが重なり利用者対応に優先順位をつけなくてはいけないため、対応が間に合わず転倒させてしまったというケースもおきています。夜間とは言え、認知症からくる徘徊など様々な利用者への対応が必要なため、夜勤者1 人の責任が非常に重くなっている。障害福祉のグループホームについては、夜間帯の配置基準すらありません。施設から出ていってしまう、不安になり眠れない、急な体調変化など、利用者に何かあっても対応できるように夜勤者が配置されています。国は介護・障害職場の夜間の体制不足を認識し「夜間支援体制加算」をつけていますが、複数夜勤体制をとるには不十分です。
こういった制度の中で、2020 年には、障害職場で1 人夜勤中に職員が倒れて亡くなり、利用者の命にも関わるケースが実際におきました。愛知県医労連と福祉保育労東海地本で取り組んだ「夜勤実態アンケート」では、回答者の94%が1 人夜勤を経験していました。1 人夜勤中の不安な気持ちから「イライラして利用者に手をあげそうになった」と虐待にもつながりかねない回答も出ています。政府が推進している「ICT 活用」では、センサーが転倒の危険など教えてくれますが、最終的に対応する職員は1 人しかおらず、1 人夜勤の実態は解消されません。職員が健康で働き続けられ、職員・利用者の命が守られる配置
基準を国の責任で実現する必要があります。
つきましては、下記の事項の実現を求める意見書を国に提出していただくよう陳情いたします。
記
介護・障害施設の夜勤体制は、常時複数配置であることを基準とし、それが実現できる報酬単価に引き上げること。
以上
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