普段の姿勢や歩き方に気を付けるなどの新たな視点に基づく、市民の健康を増進する事業の質の向上について
⑴ 健康都市推進室が果たすことのできる役割について
◆1番(勝股修二) それでは、質問事項2に入ります。
普段の姿勢や歩き方に気を付けるなどの新たな視点に基づく、市民の健康を増進する事業の質の向上についてとなります。
本市は平成15年から健康づくりのまちづくりを市の最重要施策の一つと位置づけ、平成16年に健康都市を宣言しました。策定した健康都市プログラムに基づき様々な事業が行われてきましたが、その中に気軽にウオーキングを楽しめるまちである本市において「まるごとウォーキングのまち」というリーディングプランを設けており、様々な施策でウオーキングを推奨しています。歩くことは体に様々なよい影響を及ぼすことは間違いがありませんが、歩き方が悪いと痛みが生じたり、将来関節に余計な負担がかかり、炎症や変形を生じることで関節症を発症したりする可能性もあります。そこで、新たな視点を加えることで市民の健康を増進する事業の質を向上するべく今後の事業展開について伺っていきます。
本題に入る前に、私がふだん研修においてお話をさせていただいていることを御紹介させていただきますが、皆さん、人間の設計上、遺伝子の設計上の耐用年数って御存じでしょうか。家電の場合、テレビだったら8年、エアコンだったら10年と部品の保有期間が設定されている製品がありますし、車だったら昔は10年が一定の耐用年数、10年10万キロですかね、が一定の耐用年数の目安とも言われていました。車の性能と信頼性が上がったためで、今では20年20万キロ、それ以上乗るということも普通になっています。
では、人間だったらどうでしょうか。2019年の12月に科学誌「サイエンティフィックリポーツ」にてこのような研究結果が発表をされました。生物の寿命はDNAに書き込まれていると。それによると、人間の寿命は38年、もう、私も既に38年過ぎてしまっているのですが、38年と言えば数え年で約40歳と、いわゆる初老と言われる年齢であり、人としての成長のピークを過ぎて、老い始める時期に入るということで、この記事を読んだときには古来より考えられてきたことが最新のDNA研究に一致をしているということに少々驚きました。
しかし、耐用年数を過ぎたからと言って家電も車もすぐに使えなくなってしまうということはありません。先日クラシックカーフェスタにて私が生まれる前の車が、まだ走れる状態で展示をされているのを拝見しましたが、その寿命は環境や使用方法などによって大きく変わってきます。車や家電などの機械ほどとは言いませんが、生物である人間にもある程度通じるところがあると考えており、身体の使い方やその環境により大きく変わってきます。実際に平均寿命や健康寿命は年々延びてきていますが、これは医療の進歩のみならずそれぞれ個人の健康への意識が変わり、体のメンテナンスを適切に行う方が増えてきたことの証左でもあると考えます。
話はここで変わるのですが、皆さん、筋骨格系疾患って御存じですかね。筋肉や骨に問題が起きて痛みや歩行障害など様々な問題を生じる疾患です。骨粗鬆症による骨折とか、変形性関節症、脊柱管狭窄症などと言えばなじみがあるかもしれません。これらは高齢になったら突然発症する病気なんでしょうか。いや、筋骨格系疾患の大部分は突然発症するものではなくて、もう、何十年もの積み重ねにより発症するいわゆる生活習慣病なんです。では、この積み重ねとは一体何なのかというと、ほかの生活習慣病と同様食事はもちろんなんですが、姿勢や歩き方などの動作方法というのが大きなウエートを占めているのです。これまで内臓系の生活習慣病、糖尿病とか高血圧とかは様々な対策が取られてきましたが、筋骨格系の生活習慣病にはあまり着目をされてきませんでした。そこで、本市市民が年齢を重ねても痛みや歩行障害が生じないような取組も必要だと考えますが、質問事項2、普段の姿勢や歩き方に気を付けるなどの新たな視点に基づく、市民の健康を増進する事業の質の向上について、小項目(1)、健康都市推進室が果たすことのできる役割についてお伺いをします。
◎市長公室長(佐藤嘉彦) お答えします。
本市は、健康都市プログラムの3つの施策の方針の一つに外に出かけたくなるまちづくりを掲げ、議員から説明がありましたリーディングプランにおいて「まるごとウォーキングのまち」を設けております。まずは外に出かけたくなるまちにすることで、市民の皆さんに歩く機会を増やしていただくことができるものと考えております。これまでウォーキングコースやウォーキングマップの充実、連携協定先との共同によるデジタルウォーキングの開催など多くの方が楽しくウオーキングする環境づくりに取り組んでまいりました。今後におきましても引き続きウオーキングの質を高め、まちを楽しく歩いていただけるような仕掛けづくりを行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆1番(勝股修二) ありがとうございます。
健康都市推進室の役割としては、ウオーキングの質を高め、まちを楽しく歩いていただけるような仕掛けづくりを行っていただくということです。ちょっと姿勢や歩き方のところまでは言及をいただけませんでしたが、こちらは次の項目にも出てきますので、このまま小項目(2)に移ろうと思います。
⑵ 発達段階ごとの姿勢教育(歩き方などを含む)についての重要性の認識について
◆1番(勝股修二) ふだんの姿勢が将来の健康に影響を及ぼすのではないかと先ほど述べさせていただきましたが、それに対して市民の長期的な健康を守るための啓発活動である姿勢教育についてはどのようにお考えでしょうか。これは歩き方などの動作姿勢も含めまして、小項目(2)、発達段階ごとの姿勢教育(歩き方などを含む)についての重要性の認識についてお伺いをします。
◎市長公室長(佐藤嘉彦) お答えします。
近年、小中学生においてスマートフォンや携帯ゲーム機の普及により前かがみの姿勢で歩く子供たちが増えていると言われております。また、コロナ禍の影響により運動不足も重なり、足腰の筋力低下や姿勢の乱れも懸念されているところでございます。このような傾向は将来的な健康リスクの増加につながることが想定されることから、ウォーキングマップ、A-mapにおいてウオーキングの質を高めるため、正しい歩き方の普及を引き続き行ってまいります。また、議員の提案にありました若年期の歩き方について、将来にわたって正しい歩き方を身につけていただくということができるように児童生徒の保護者に向け配信・啓発するとともに、高校生から高齢者まで幅広い年齢層の方にはSNSなども活用してしっかり啓発をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆1番(勝股修二) ありがとうございます。
小中学生の足腰の筋力低下や姿勢の乱れが将来的な健康リスクの増加につながることが想定されることは共通の認識として持つことができました。
私はその、理学療法士の職業病かもしれませんが、無意識に他者の姿勢や歩行分析をしてしまいがちなんです。左右差はないかとか、体幹の動きがどうなっているかとか、また、かかとから着いて爪先で蹴っているかなとか、どのように歩いているのか、やはり、すごく気になってしまいます。小学校や中学校の催物に呼んでいただけるようになって、その生徒さんたちについてもついつい姿勢分析や歩行分析をしてしまいます。腰部が前方に反ってしまう、こういう反り腰とか、頭が前に落ちるスマホ首やストレートネック、また、背中が丸まる猫背なんかが実際によくない姿勢が身についてしまっている生徒さんをちょくちょくと見受けられます。
よくない姿勢というのは負担がかかる姿勢でもあります。長期にわたって負担がかかり続けると、背骨の変形や関節の変形を引き起こして、痛みや末梢神経障害が生じる可能性もあります。特に痛みは、もう、それだけで気分が落ち込んで、人生の質を大きく損ないます。また、痛みやしびれを軽減するために病院の診察を頻回に受けねばなりません。つまり、姿勢や歩き方が悪いことが医療費などの社会保障負担を増やしていく可能性があるんじゃないかと考えています。A-mapでの普及啓発や保護者向けへの配信、SNSの活用などを行っていくということです。A-mapでも5ページに健康に歩くためのポイントとして、歩き方についてちょっとごくごく簡単ではあるかなとは思いますが、ここもしっかり載せていただいています。
ただ、姿勢や動作を身につけるということは、読んだり聞いたりするだけではなかなかちょっと難しいんじゃないかなとも思います。よい姿勢や歩き方を身につけて継続していくためには、学童期、青年期、壮年期、高齢期など発達段階に応じて継続的な介入を要します。実施するとなれば、本当に教育委員会や健康福祉部など複数の部局が関わっていくことが必要になっていきます。現状では地方自治体の事業としての認識が形成されているわけではありませんので、まずは健康都市推進室において全体的な方向性について研究をしていただくようお願いいたします。
⑶ ウォーキングイベント実施時の方針について
◆1番(勝股修二) 小項目(3)に移ります。
まずは、できることから始めていければと思います。が、現状において実際に体験型で姿勢や歩き方に介入できる機会の一つがウオーキングイベントかと思います。先日森林公園においてJAあいち尾東さんがウォーキングイベントを開催をされましたが、その際には歩き方や姿勢の指導も行いながらウオーキングを行ったということです。本市主催のイベントにおいてはいかがでしょうか。
小項目(3)、ウォーキングイベント実施時の方針についてお伺いをします。
◎教育部長(山下昭彦) お答えします。
誰でも気軽に参加していただけるウオーキングイベントとして、春にはあさひ健康フェスタに合わせて「あさぴースマイルウォーキング」を、また、秋には紅葉の時期に合わせて「あさひ軽々楽々ウォーキング」を実施しております。
なお、それぞれのイベントの実施におきましては、どの年代の方でも安全に楽しんでいただけるようなコースを設定するとともに、それぞれのぺースでウオーキングを楽しんでいただけるような時間配分も設定しております。
以上でございます。
◆1番(勝股修二) ありがとうございます。
現状ではウオーキングの機会提供が主目的で、姿勢や歩き方にはちょっと視点が至っていないということは分かりました。
⑷ 将来にわたって筋骨格系障害を防ぐための正しい姿勢を意識したウォーキングについて
◆1番(勝股修二) それでは、今回の質問を踏まえて今後においてはどのようにお考えか、小項目(4)、将来にわたって筋骨格系障害を防ぐための正しい姿勢を意識したウオーキングについてお伺いをします。
◎教育部長(山下昭彦) お答えします。
先ほど御紹介した「あさぴースマイルウォーキング」や「あさひ軽々楽々ウォーキング」といったイベントでは、ウオーキングを始める前にスポーツ推進委員の皆様の指導の下、ラジオ体操などの準備運動を行っていただいております。
なお、御指摘のような筋骨格系の障害を防ぐとともに生涯にわたって長くウオーキングを楽しんでいただくため、今後はけがをしないための歩き方を含めた歩き方の姿勢についての説明も参加者に対して実施することをスポーツ推進委員の皆様と検討していきたいと考えております。
以上でございます。
◆1番(勝股修二) ありがとうございます。
本当に推進員の皆さんと考えていただけるということで、こちらもこれからの研究段階、これから考えていこうかなというところかと思います。
本当にこれまでお伝えしたとおり、実際に地方自治体として姿勢教育を本格的に取り入れているような事例はほとんどなくて、北海道函館市のえさん小学校が本当に校長独自の発案で、独自に行っているえさん小体操や宮城県教育委員会が平成23年度より推進している立腰教育です、腰を立てるような生活をしましょうというような教育くらいで、本当に全国的な姿勢教育についての視点は、それほど普及しているとは言い難い状況です。歩き方の教育となるとほとんどなされていないと言っても過言ではありません。しかし、これまでに述べてきたように市民の健康の増進、ひいては福祉の増進につながるのではないかと考えており、今後も議論を積み重ねていきたいと思います。
今回質問させていただいた事項は、本当に10年、20年、あるいは80年以上にわたる長期的な視点で市民の健康と人生の質を考えたものです。定例会初日に健康増進への取組強化を要望させていただきましたが、結果的に社会保障費の削減につながる可能性があることです。近視眼的な取組だけでなく、尾張旭市民の将来に向けた取組というのを、ぜひお願いをいたします。
先ほど、小中学生の姿勢の乱れが気になると述べさせていただいたのですが、実はこの議場でもちょくちょく感じていることでございます。椅子に深々と座って、背中が丸くなっていらっしゃる方もちょくちょく見受けられます。ふだんから姿勢を整えていると、正しい姿勢を取るための筋肉が自然についていくと。ですので、体つき自体も変わっていきます。ふだん歩いているときや立っているとき、座っているとき、全ての時間姿勢を整えるべきであるとは言いません。逆に同じ姿勢を取り続けるというのは、実は体によくないことで、本当にいろんな状況に応じて、ただ、しっかり時々体を鍛えるつもりでよい姿勢を取るということをしていくと。本当に一部の時間だけでもよい姿勢を取って、日常生活動作にトレーニング要素を加えていくと。介護の世界では何か、生活リハビリとか言ったりもしますけれども、そのような習慣が多くの方々に広がることを願いまして、質問事項2を閉じさせていただきます。
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